女性活躍社会の為には待機児童解消が鍵
行政府のやる事は遅い!その後現状は一体どうなっているのか?
「小学校の空き室」×「女性高齢者の資質」=『課題解消+雇用創出』
少子化が年々進む日本に於いて待機児童問題が年々深刻化しています。「少子化なのに何故?」、論理的に考えるとちょっと不自然です。という事は、時代変化に対応出来て無い旧態依然とした制度的問題が潜んでいる事は間違いありません。認可制度等の行政改革も求められる事になります。つまり、行政と民間の協働で取組むソーシャルマーケティング戦略プランが必要になります。課題解決という成果に必ず付帯効果として地域の雇用創出など経済効果が生れるという一石二鳥のプランです。まず「こうすれば解消出来る!」という思い切ったプランを策定し、存在するメリットデメリットについて述べることとします。それから世論では話題になっていませんが、待機児童対策が進み難いもう一つの理由が存在する事実に関しても、後に述べさせて頂きたいと思います。
少子化に伴う小学校の空室活用
(行政縦横の連携により実現)
■成 果
①利用者の観点
少子化が進み小学校の空き室が目立っています。地域によって差がありますが、小学校同士や小中一貫など統廃合も進んでいます。この空き室を活用します。小学校は大人が送り迎えする上でも近距離にあり身近な公的機関です。地域住民が関わる地域コミュニティの中心であり地域重鎮がPTAや学校運営協議会等教育コミュニティに関わっています。また朝から晩まで数多くの教師や教頭校長が巡回していて極めて安全な場所です。また、殆どの小学校には学校給食の為の給食室が有り、衛生管理だけで無く子供のアレルギー対策にも万全を敷く体制が整っています。保健室もあり最低限の応急措置が出来る養護先生もいます。何よりもお兄ちゃんお姉ちゃん達が学び遊ぶ姿を見ながら育つ事が出来ます。幼児にとってこれ以上メリットのある場所はありません。また、費用面から見てもゼロからの増設よりもはるかに安い事業となります。
②行政的な観点
少子化が進み益々小学校の空き室は増加していきます。元々春夏冬の休み中や夜は全く利用されていない等、学校施設設備の稼働率の悪さや費用対効果の低さが存在します。国民的資産の効果的効率的運用という側面から見ても大きなメリットがあります。
③経済的な観点
運営は民間の力を利用します。出来れば地域に存在する保育事業者がベターですが、広域に展開している事業者に指定管理制度の運営を依頼することも考えられます。部屋の改修工事が必要ですので小学校指定の業者との連携もあり得ます。食事もしかりです。いずれにせよ、保育所運営において小学校経営と多くの連携が可能となる為、コストの効率化が図れかつ地域に雇用と経済効果が生れます。
■想定課題
①行政側の観点
保育所は児童福祉の概念で厚生労働省が管轄。幼稚園・小学校は教育行政として文部科学省の管轄。行政と言うのは縦割り組織で動いていると聞いていますので恐らく連携は難しいのだろうと予測します。法的整備も必要になるのではないでしょうか。しかし、それを言っていたのではいつまでたっても時代変化に対応する進化は促されません。ソーシャルマーケティングを実行し成果を上げるためには、行政の構造改革は絶対的条件です。保育所だけで無く幼稚園も含めその運営について調整するヴィジョンも必要です。
②学校側の観点
小学校側にとっては何かあった場合のリスクにより消極的になることが考えられます。また、別経営とは言え、連携する事が基本ですから教師達に「余計な仕事や気遣いが増える!」と反発されることも予測されます。しかし、保育所増設は国の重要政策の一つです。リスクだけで無くそれ以上のリターンを求めて検討し行動すべきでは無いでしょうか!?
地域に存在する人生の保育士である女性高齢者の積極採用
(保育士資格取得制度見直し)
■成 果
①利用者の観点
高齢社会の課題として顕在化した介護士不足を解消するために導入された初任者研修による資格支援制度を保育士資格にも導入します。いま、地域には心身共に若々しい女性高齢者が多く存在しています。子供を育てた経験と子や孫への愛情に満ち溢れた世代です。この層を活用しない手はありません。幼稚園では教員資格が必要となりますから難しいとしても、保育に関しては、保育の「育」より「保」、つまり「守る」という役割が最優先であり最適な人材です。
②行政側の観点
高齢者の就労には社会貢献という意欲が備わっていて安全性が高いこと。また給与基準が低くても義務感と責任性は薄れない為、行政の待機児童解消策に伴う税制面で効率的でありかつ量的拡大も図れます。
③経済的な観点
保育士不足は労働人口不足も理由の一つです。人口減少時代にはシニア層の就労促進が求められます。そして地域の雇用創出は地域活性化に繋がります。ヘルパー職(ヘルパーの場合は男女)と保育士の高齢者活用は地域社会の利益に資するPOINTです。
■想定課題
①利用者の観点
子供を預ける利用者ニーズとして「安全安心な施設運営と職員の質の高さ」は必須条件です。しかし、保育所にも介護施設同様に虐待は存在し悲惨な事件も度々起こっています。また社福理事長や民間経営者の補助金目的のずさんな運営も昨今明るみに出ています。決して資格を軽視している訳ではありません。また保育と介護を一緒に考えている訳でもありません。私が申し上げたいのは、こうした問題の根っこにあるのは「資格」では無く「資質」だという事です。この認識を共有し本質を見極めるマネジメントが存在すれば、規制緩和は社会的課題解決に必要不可欠です。私は数年間、社会福祉法人や民間の介護施設の経営に関り現場を見て来ました。そこには想像以上に虐待が存在していました。そして観察を続けていた結果発見したことがあります。事故というのは「ハインリッヒの法則」にあるように、ケアレスミス(ヒヤリハット)の量から大きな事故の発生率が予測出来ます(ケアレスミス300回に大きな事故1回)。しかしこれは「事故」についてです。しかし犯罪性を伴う「事件」となると、人間的資質から予測出来た場合その発生率は100%です。そして私の体験上から、高齢の職員にはヒヤリハットは多いものの事件は全く存在しません。ヒヤリハットの多さというのも正直に申告しているが故の事と感じています。保育士に置き換えますと、心身共に健全健康な高齢者が、保育士の初任者研修等で資格を取得し業務に携わっても事件性のある事故は発生しないという事です。高齢者には子や孫同様に大切に見守るという社会貢献性がこれまでの人生で養われています。その経験は保育士の資格では取得出来ない貴重な資質なのです。企画概要1.でご提案の小学校内に保育所を設置するとなると、校長先生はじめ地域の多くの住民がいつも気にかけてくれます。私の提案は保育にとって最も重要な「命を守る」という精度の向上に繋がる画期的解決策であると考えます。
②行政側の観点
上記と同様、保育の質に対する問題とこれまでの資格認可制度の内容に拘る行政的判断があります。まず、前例踏襲が習慣となっている行政の構造的改革ありきではないでしょうか。その改革的観点に立ったうえで、これまで以上の事業運営に対する行政監査の強化が求められるのだろうと考えます。重要な事は、入り口段階の認可査定基準よりも運営が国民の為になっているかどうかです。